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焼き締め(焼締め・焼き〆・やきしめ)

 焼き締めには主な産地のもので、備前・信楽・越前・丹波などがあり、産地を特定しない南蛮や作家がそれぞれの地元の土を用いたものがあります。
 ここでは私が修行した備前焼での特徴を紹介しております。

 

 

特徴その@ ビールがおいしくなる

 ビールがおいしくなる、というのは最近ではもう常識になりつつあるようで、お客さんに説明しようとすると、すでにご存知の方が多いです。
 では、なぜ焼き締めでビールを飲むとおいしくなるのでしょうか。
 焼き締め陶は表面が多孔質であるため、ビール中の炭酸ガスが気化しやすくなります。つまり泡立ちが良いので、きめの細かい泡となり、泡の状態が長持ちします。ビールの泡はおいしさを逃がさず、苦味を吸収する作用があるのでビールがおいしくなる、ということだそうです。




 

特徴そのA 酒がうまくなる


 備前では江戸時代から言われていた名言があります。
 1.備前水甕、水が腐らぬ
 2.備前すり鉢、投げても割れぬ
 3.備前徳利、酒がうまくなる

  酒がうまくなる、というのはどうしてでしょうか。これについて岡山大学のある教授の研究した結果が、山陽新聞に掲載されたことがあります。その記事によると、備前焼からは遠赤外線が放出されていて、その効果により酒の熟成が進む、ということでした。
 自分で備前の徳利に酒を入れ、一晩冷蔵庫で冷やしたものと、瓶のまま冷蔵庫で冷やしたものを飲み比べたこともあります。そのときは酒の種類によってはうまくなるものもあれば、酒本来の香りや微妙な味わいが損なわれるものもあるような気がしました。
  酒屋を営み、大の焼締め好きの知人がいて、この話をしたところ、確かに酒の種類によってはうまくなるもの、まずくなるものがあるそうです。酒の種類とは、生酒、生貯蔵、生詰、山廃、などのことです。つまり、酒が熟成される途中で販売されるものなのか、完熟の状態なのかなどによって違いが出てきます。すでに熟成がちょうど良い状態に終わってから販売される酒については、備前徳利でさらに熟成を進ませると味は落ちてしまうようです。



 
特徴そのB 花が長持ちする

 お客さんに対して、「水が悪くなりにくいですから、花器に生けた花が長持ちしますよ。」とよく説明しますが、そのメカニズムはよくわかりません。
 遠赤外線効果の有無は別として、表面が多孔質ですから水が活性化するのでしょうか。比較してみたことはあります。ガラス製の花瓶と自分で焼いた焼き締めの花入に、同じ花を活けて水の交換をせず、継ぎ足すだけで花が何日持つか。
 活けた花は山百合、実験の季節は七月下旬、水は井戸水、場所は午後二時まで日の当たる玄関です。
 結果はガラス花瓶五日、焼き締め花入6日で花びらが変色し始めました。
 ・・・たいした差はありませんでした。しかし水の変化は歴然で、ガラス花瓶の内側は滑り(ヌメリ)を生じ、水カビが発生し始めたのに対し、焼き締め花入れの方は内側も水もきれいな状態のままでした。




 

特徴そのC 使うほど色がよくなる




 焼き締め陶は使うほどに色、艶手触りが良くなります。どのように良くなるのか。
 使い込んでいないものでも水に浸せば乾いている状態より鮮やかな色合いになりますが、使い込んだものは乾いている状態で水を吸ったような、一見、触ると柔らかいのではないかと思うような色合いになります。

 私自身は使いやすいか確認するために新作を使用することが多いので、同じ物は長くても一年程しか使いません。作品を購入していただいたお客さんに、数年間使用した物を見せてもらって、こんなに良くなるのか、と驚いたことがあります。


 作品は焼きあがってもまだ半分しか出来上がっていない、といわれます。人の手に渡り、使い込まれてようやく完成品となるそうです。


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