やきものとは
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火入れです。
窯焚きは数ヶ月ごとのため、窯には湿気があり、乾燥しているように見える作品も湿気を含んでいます。
火を入れた直後から窯内温度を急激に上昇させると、作品が割れたり火ぶくれが生じたりします。
徐々に温度上昇させるために最初は煙を吸わせる程度にし、1時間に30〜40℃ずつ上昇させるようにします。
正面下口全開、上口は閉じたまま、横くべ口や色見穴、ダンパーは全開です。 |
徐々に焚き物位置を窯に押し込み、焚き物種類も木片や端材から太い薪へとしていきます。
150〜250℃で湿気がなくなり次第、順番に下(窯正面)から、横くべ口や色見穴を閉じていきます。
隙間には山土と川砂、水を混ぜてドロドロにしたものを塗ります。
約500℃までは下口のみで焚きます。
火入れから500℃まで、13〜14時間です。 |
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温度が上昇していけば焚き物もたくさん必要になります。
500℃を超える頃、下口だけでは薪の投入が追いつかなくなるので、上口を開けて放り込みます。
下口でも薪を焚き続けますが口の大きさを2/3にしたり、空気量の調節を行います。 |
上口からの薪の投入は、15分ごとに放り込みますが、時間経過と温度上昇によって薪の本数が増えていきます。
上口の蓋を開けたときに窯の中の状態を確認します。作品の色、熾き(おき)の量、熾きの溜まっている場所など。
薪の太さや質、外気の湿度でも温度上昇の仕方は変わりますので、放り込む薪の本数をその都度変えます。
温度上昇の仕方は窯の癖も大いに関係あり、長年窯を焚いていると感覚的に解るようになり、「窯と相談しながら焚く」といいます。 |
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温度が1,000℃近くなると、上口から薪を放り込むたびに煙突から出る煙も多く、黒くなっていきます。
15分ごとなので、窯の中では「還元→中性→酸化」を繰り返している状態になります。
1,000℃になったらその温度で12〜24時間ほど保つようにします。
作品に降りかかった薪の灰が溶けない温度でしばらく焚き続け、その後に温度上昇させて作品に積もった灰を溶かし流すことと、窯の上(後部)までなるべく温めることが目的です。 |
窯の中を覗いたとき作品の色は、700℃では黒っぽい赤、1,000℃では明るい赤、1,200℃では白っぽく輝き、眩しくて見えないほどの色になります。
灰が流れた状態や、火ぶくれが出ていないか、なども確認します。
1,000℃からは1時間に20℃ずつ、1,100℃からは1時間に10℃ずつ上昇させるようにします。
熾きの量も増えてきて窯の中は還元が強い状態となっていきます。 |
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色見(テストピース)を取り出してみて、灰の溶け具合や還元状態を確認し、焚き方の調整を行います。
場合によってはダンパーを少し閉めて空気量の調節をします。
窯の床に近いほうに比べ、天井に近いほうの作品が焼けにくい場合は、上口に薪を並べて落とさずに蓋をする、クチガケ(カケクベ)をします。 |
焼成室一段目の温度が1,150〜1,180℃になったら、「横くべ口(わきざし)一番」からも焚き始めます。
薪は横くべ用に細く割ったものを使用し、最初は4〜5本、一時間ごとに数本ずつ増やしていきます。
以降、3〜4時間ごとに二番、三番・・・五番とくべ始めていきます。 |
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温度は目標最高温度の1,240℃に達し、煙突からの火柱が3m以上あがります。
耐火度のあまり高くない粘土を使用しているので、焼きすぎに注意しながら止め時(焚き方終了)を見極めます。
焼きすぎると作品に火ぶくれが生じたり、亀裂がはいったり、つぶれてしまうこともあります。
窯正面の上下焚口を閉じる前に、大くべ(薪を20〜30本放り込む)を数時間したり、逆に温度を1,100℃ぐらいまで下げてしばらく持続したりという仕上げをします。
仕上げの仕方によって、作品の焼き上がりの色合いが大きく変わります。 |
横くべは各箇所、約12時間焚いて終了なので四番を焚き始めると同時に一番は焚き方終了し、閉じてしまいます。
この時、窯正面の上下焚口も閉じます。
正面焚口を閉じると熱源が格段に減るので、横くべだけでも充分に温度を保てるように、それまでの焚き方を考慮していなければなりません。
各横くべ口は色見(テストピース)を取り出して焼け具合を確認し、良ければ二番、三番と閉じていき、最後は四番と五番を同時に閉じます。 |
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